【完全保存版】島田紳助がNSCで語った【伝説の講義】全文書き出し

【完全保存版】島田紳助がNSCで語った【伝説の講義】全文書き出し




ゴーゴー
どーもゴーゴーケンゴ(@KNGrits)です!
この『伝説の講義』を丸暗記できるまで何度も繰り返して聞いたおかげで、ブログで結果を出すことが出来ました。


これを愚直に実践すれば、誰でも結果が出るレベルの貴重な話なので、ぜひ最後まで読んでみてください。


▶︎著名人からのコメント

島田紳助がNSCで語った【伝説の講義】全文書き出し



以下、島田紳助がNSCで語った【伝説の講義】の全文書き出しです。


動画は現在DVDで視聴できます。

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才能と努力



才能っていうのは、わかりやすく5段階、0~5まで通知表みたいにあるんすよ。
努力も0~5まであるんよ、ほんで才能5の人が努力を5したら5×5で25点の最高点の結果が出る


だから、ひょっとしたらM-1落ちてる君らの中にも5の努力をしてへんのちゃうかと。やったとしても間違った努力をしてるんちゃうか?
ほんなら1ぐらいの努力しかしてなかったら3〜4の才能しかなくても結果が3〜4しか出えへん。
だから、僕らが伝えれるのは努力の方法なんすよ。


だから、「紳助さんよう努力してますね」って言われるけど、全くしてないですよ。
それね、掛布さんも同じこと言うね。寝る前毎日500回バット振ってた。だからミスタータイガースになれたんですね。
違いますと。プロにもなれば毎日500回素振りするのは当たり前ですよ。そんなもんは努力じゃないと。


意識の問題なんすよ。だから、意味なく500回素振りしたら腕太くなるだけ。でもそんなん筋トレ。練習にならんのよ。
500回の中で1回1回イメージして意識して振る。それを500回するやつとただバット振るやつでは違います。


ボクサーは1日3時間以上、練習するとオーバーワークになるのよ。
僕ね、これ漫才師も同じで、毎日何回もネタ合わせしても、一見、上手くなったように思うけど、それは単に慣れただけ
ネタになれた瞬間に一気に上手くなったように思うけど一個もウケへんから。
必要以上に練習しない。そんなことより、もっと基本的なことをせなあかん。


例えば、練習方法の1つとして、笑いってのは音感なんや。歌の音痴と喋る音痴がおる。外れててもわからん。喋りも一緒。
笑いもキーがあるのよ。そこでトーンも音も変える時に、その音を探すのを上手いやつは天性のもんで、ビタッとハマるのよ。
だから、そう言うのを身につけるのに何が必要か?基本的なリズムや。


だから漫才の練習を稽古場でするんやなくて、歩きながらしなあかんよ。
人間ちゅうのは、ゆっくり歩くとゆっくり喋るんよ、早く歩くと早口になるんよ。歩いてるリズムが喋るリズムになる。
だから、相方と基本ベースになるリズムをまず探そうと。これを俺たちの音楽で言うと8ビートか4ビートか、クラシックなんか、手のが原点なんや。
まずオモロイネタをやる必要はない。歩いて喋ってリズムを決める。そのリズムが自分らの体に染み付くまでやる。そこから初めて次よ。

笑いの教科書



漫才ってのは教科書がないわけやんか?


まず自分で教科書を作ろうと思った。
僕がやったんは、コンビ組んでね、自分が「おもろい!」と思う漫才師が自分の感覚に一番近い。(あ、ノート取らんでええよ。メモらんでええ。)それをテープでとる。録画でも出来るやん?


それをな、なんべん見ても一緒やねん。紙に書くの。一回一回止めてぜーんぶ紙に書くの。物凄い時間かかるけど、ずーっと紙に書くの。


それを見て、いっつも寝る前考えんねん。「どう違うねん?」って。おもろい漫才師はおもろい理由があるから、それを何組も見る。
書くことで、色々見えてくるんよ。


例えば、僕がやった時は、名人言われる人と僕がオモロイ思った漫才師を比べて見る。
すると、1分間の『間』の数が違うのよ。
そりゃ、10年20年やってる人はうまいよね。間が細かいのよ。
仮に、うまい人が1分間で20個の間があったとしようよ。
それを自分らが同じだけやろうと思ったら、時間かかるよ。


でも、俺ら漫才やってる人ですら、そんなとこに気をつけて見てないのよ。
ほな、お客さんは見てないよ。オモロイかオモロくないかだけなんよ。
てことは、上手くなくてええんよ。下手でもおもろかったらええんよ。
だから、ぼくらの時代はB&B、ビート、紳助竜介は1分間の間が少ない。
うまい人は20個あるけど、俺らは8個だけ、ほなどう考えても少ない方が失敗する率が少ないのよね。


ほんで、一人の人間が圧倒的に喋ることでリズムが作りやすい。
技術的に言えば下手くそな漫才。でもお客さんはわかんない。
海原千里・万里さん、高校生からスターやった。ほんで僕は黙ってテープを取りに行った。
2本くらい漫才とって家かえって分析するんよ。


ほんじゃ、なんで高校生やのにこんなオモロイねん。
って分析したら、ネタの8割が同じパターンやねん。
落ちのパターンが8割一緒やねん。
なるほどと。こんなこと漫才師なろうと思ってる俺らでも気づかへんのにお客さんが気づくわけがない。


野球で言うたら8割フォークボールやねん。
2割がまっすぐやねんな。そのまっすぐが速いか言うたらそうでもない。
でも、あえて2割3割は自分にとって素晴らしくはない球を散りばめる。
そうすることで、フォークが活きてくるんよな。全部フォークやったらお客さんも気づくねん。


そう言うことをコンビ組む前一人でずっと勉強してたんすよ。

相方と戦略



僕なかなかコンビ組まなかったんです。
何をすれば売れるか?どうすれば世に出れるか?
自分の「この形の漫才を作ろう!」ってのをまず自分で考えた。
これに必要な相方を探す。
1番初めに見つけた相方は先輩やって、全然ダメやった。
辞めさせてくれ言うて、アメリカ一年留学行くから辞めます言うて逃げた。
2番目に組んだ子は3週間稽古して、逃亡した。
普通とは違う稽古をしてたんよ。
自分がやろうとしてることがハッキリしてるから、これをやろうと!
だから、なんべんも同じとこを繰り返しやる。


ほんで、誰か根性おるやつおらんか〜言うことで竜介とあったんや。
週2〜3日、京都きてもらって、うち泊まって漫才の稽古は一切せえへんのよ。
僕が持ってる漫才の教科書をあいつに授業するわけや。


今から何が売れるのか?どうすれば売れるか?俺はこうしたい。こう作りたい。
それに半年付き合ってくれ。それで売れんかったら教科書が間違ってる。それは仕方ない。
今俺が求めてるものは出来なくていい。今すぐに出来なくてもいい。ただ、俺が何をしたいかは理解してくれ。


7月15日が初舞台で6月いっぱいまで漫才理論をずーっと教えて、ほんで一発目のネタをしますと。
これは今、竜介に僕が教えた漫才では全くありません。めちゃめちゃベタな漫才です。でも、まずはこれをしてみたい。これをしようと。
ほんで、しばらくして色んなものが慣れて、お客さんが見えるようになったら次に行こうって段階ですね。


9月にNHK漫才コンクールがあって、それの予選があって「出してください!」言うて、ほんじゃお偉いさんが「無理や!まだコンビ組んだばっかやろ?」生意気やったから「何言うてますの、世界チャンピオンになるもんはストリートファイトから勝つもんですわ。確かにボクシングは1ヶ月しかしてない。でも世界チャンピオンになるんやから新人相手に絶対勝てますよ。」
予選8組残るんやけど、残って、当たり前やと。こんなカス相手に負けるわけないやんけと。
結果3番目やって、頭真っ白なって負けた悔しさと、花束を投げつけてNHKの人らに「お前ら間違えてる!」言うて、それから30年NHKから仕事がないんよね。


そん時、優勝したのがこだまさんなんよ。苦節何年でしたから、こだまさん感動して泣いてインタビュー答えてるところに「ボケコラ!なに泣いてんねんアホ。泣くなアホ!」でNHKの人らに「お前らがこだまさんが一番言うならええわ、俺は俺のやり方で一番になる。証明したるわ!」ってすごい失礼なことを言うたんすよ。
ほんでやっと2年前にこだまさんに謝ったんすよ。「後輩としてあるまじき態度をとった。」ほんじゃ、こだまさんは怒らんかったのよね。「すごいな、こいつ。すっごい自信持ってるな。へ〜こいつ怖いな〜」って思ったって。


こだまさんも思い出があるみたいでね、それから大阪でバーって売れ出して、それでも新人やから俺らまだゴミみたいなもんや。でも仕事をすっぽかすのよ。行かへんのね。それをこだまさんが「恐ろしいやつや」って思ったらしいわ。
やんちゃで生意気で不良ですっぽかしてると思ってるんよ。実際そういうキャラでやってたからね。
でもほんまは勝てないから行かないんよ。こんな中途半端な出来でみんなと戦っても負けが目に見えてる。だから、行かないのよ。
めちゃめちゃ怒られる。でもいっつもそういう事を、自分の中では論理はあってんけど、周りから見たら単なる生意気な奴に見えてね。


ヨシモトの人も9割が漫才わかってないからね。当時の劇場の支配人もわかってないから。21回の舞台の中で真剣にすんの3回だけ。
だって朝のおばあの客相手に真剣にやっても無駄や。だから、いっつも2分くらいで切り上げてね。とか、わざと小ちゃい声でやって聞こえへんようにね。
なんでそんな事したか言うたら、いかん事やけどね、俺たちのターゲットは20〜35歳の男性やと。35歳の男性を笑かさなあかんねやと。当時は子供から大人まで全員笑かさなあかんという時代やってんな。


そんな中で俺だけ笑いも細分化されると。だから20〜35の男性を狙って笑かす。自分と一番感覚近い奴を笑かすのが一番簡単やからや。
でもちょっと売れ出すと若い女がキャーキャー言い出すねんな。これが邪魔やねんな。こいつらが俺たちをダメにするから、いっつも相方に言うててん、こいつらがキャーキャー言うて人気のあるように作ってくれてる。こいつらも必要やねんな。でもめちゃめちゃ邪魔やねん。


なんでか言うたら、こいつら笑かすのは簡単や。だから、こいつらを笑かしにかかった瞬間に俺たちは全て終わってしまう。
だからカメラ越しのこたつで見てる兄ちゃんがおもろいと思ってくれる感覚でやる。いつも客は向こうにおるんや。男がああ言う女の子を笑かしてたら絶対無理。
あいつらが笑えば笑うほど、俺たちが一番笑かしたい人らが「何やってんねん。学園祭でやっとけや。もっと身内だけ集まってやっとけ」って状況になんのよ。

XとYの分析



「どう言う漫才を作るんや?」ってのを一番初めに考えるのよ。
自分が面白い!って思う笑いも2つあるよな。


面白いけど「俺にはでけへん!」ってのと「これ俺と一緒やん!」ってのが。
「これ俺と一緒やん!」ってのが自分に一番近いのよ。
そんなんをいくつか探すのよ。1人の漫才師だけやなくていくつか探す。
そして「これ出来る!俺と同じや!俺が友達を笑かしてるパターンと同じや!」ってのを見つけるのよ。


ほんで、もう一個が勉強や。
昔から売れてた人、その時その時で売れてる人のを全部聞け。
それを聞いて、どう変わってきたんか、何が違うか、徹底的に聞け。


それがね、Xと言うのはまず自分で何が出来るのか?自分の戦力を必死で探す
ほんでY、これは世の中の笑いの流れ。時代の変化、これを研究するんや。
だから、XとYを研究してわかったら、初めてわかるんや。



『俺どうしよ?何をしよ?どんな笑いを作ろ?』



仲間沢山おったし、いっぱい見てきたけど、このXとYもわからんと悩んでる奴が多い。
先輩も後輩も「紳助さん、新しい笑いやりたいんですよ。」バカかと。「どうしたらええん。紳助?」無理ですよ。そんなん俺だって答え出ませんと。「僕もあなたじゃないから、僕があなたに変わって一年間必死にやったら答え出ません。でも、公式は作れます。僕はあなたじゃないからXはわかりません。Yは半年あれば作れると思うんよ。これから5年後10年後どういう笑いに変化して行くかわかると思うんよね」だからね、この公式を作らなあかんねん。ただ単にオモロイこと考えよ。よそがやってへんことやろうぜ。って、そんなん絶対無理。


でもな、たまたま出来る事もあんねん。けど絶対潰れんねん。なんでか言うたら、公式がない答えや。
学校でも一緒や、たまたま書いた数字が当たる事あるやん?でも、何の根拠もなく売れた奴はYは動いて行くんやからついて行けへんねん。


芸能界でも一発屋っておるやん?なんで一回売れた奴が消えて行くん?なんで売れたか分かってないんよ。
たまたま、前からやってきた事が時代の変化に当たっただけよ。Yは笑いの変化やから動いて行くんよ。だからインパクトはあんねん。最初に衝突した時の。でも、そこに修正が効かへんのよ。


売れてる奴はみんな一緒。世の中に自分を合わせてんのよ。だから、大事故にならない。接触事故ばっかり。
「若手をみて脅威に感じることありますか?」ってさんまと一緒にいうてんな。「全くない!」言うて。
なんでか言うたら、練習してるとこみて「何練習してんねん!」て、俺から見たらずっと筋トレしてるようにしか見えへんのよ。それ無駄。
オリンピックの体操選手の身体ってすごいよ。体脂肪4%やて。でもあいつら野球のボールは投げれへんねん。
なんでか言うたら体操の為だけの筋肉しかついてないんよ。いらんねん。いらん練習はいらんねん。


今の公式は絶対的なもんや。こんなかで何人がXが分かり、Yを正しく分析するか?全員は無理やで。何人かがわかると思うんよ。今売れてる人は俺に向かって「なんで言うねん。言うな!秘密にしとけ!」っておもてるよ。だから、X+Yそして自分がどう言う形ものものを作るか?まず、やる。

運と計算



8年間で1回も喧嘩したことないもんね。舞台10回のうち2回か3回しか真剣にやらへんのよね。
でも相方はいっつも全力でやる。それでも舞台終わって「おい、真剣にやろうぜ!」とか一切言わんかったもんね。
「あいつは何か考えてやってるんやな」って思ってくれてたんやな。


甲子園はテレビやから舞台で活躍して終わろうなんて一切考えてなかった。
テレビは運って言う人いるけど、一個だけ運があるとしたら【誰が同期か?誰がライバルか?】ってことやね。


巨人阪神がおらんかったら、もうちょいまとまな漫才を考えたね。
入った時に巨人阪神の漫才見たらビックリしたね。ヨシモトにドラフト1位で入った漫才師なんやけど、初めて見た時「こらアカンわ」って。
地方巡業で九州行った時、風呂場ん中で「紳助兄さん何しはるんですか?僕も相方決めて漫才やるんですよ。」言うて「他になにしてたん?」言うたら「モノマネも」言うてね、俺もモノマネ自信あったから「ちょっとやってみいや。」言うてやらせたら「あ、これがプロなるやつのモノマネか」おもてね、ほんじゃ「兄さんもモノマネやってください」言われて、とっさに「俺モノマネできへんねん」言うてね。
それ以来、絶対せんとこ!思ったもん。だって負けるもん。俺らは勝つことしかしたらあかんねん。巨人阪神の漫才も見て、漫才やらんとこ思ったもんね。


当時は髪の毛切って七三分けしてキッチリやっとったんよ。でも、さんまと同期やったんはラッキーやったね。天性の明るさ。スターや。
なんでもないサードゴロをファインプレーに見せれるの。それは華があるから。24時間明るい。これは人気者になる奴や。絶対無理や、ここには勝てへん。


正統な漫才は無理、スターにもなれへん。ほな、どうしたらええんや?悪役になろうぜと。ヒールでええんや。
もともと、京都の不良少年や。自分が一番近い世界で、自分しか知らんこと沢山ある。それを笑いに変えたらええんや。
怖いやつは笑えへん。でも、怖そうな奴が弱かったら笑えるやん。
ほんで、ツナギにしよとか、リーゼントにしよとか、まぁ行くたびに怒られて「なめてんのか!」とか、怒られ続けてたら、向こうも怒り疲れるんよね。


正月の出番初めてもろて言われてん「正月はわかってんな?あんな衣装あかんぞ!」当時は紋付袴姿かタキシードできまっとってん。
それで、正月の出番、真っ白のツナギに「賀正」て書いて出たんよ。ほなこっぴどく怒られてね。
でも、最後まで「これは正月しか着れません。正月衣装です」言うてね、じゃあ徐々に理解者が現れるんよ。面白い!言うてね。


でも、結果は残さなあかんよ?
梅田花月は土曜の晩に月1回舞台があるんよ。
で、そこには切符を売る奴が出れるんよね。
でも、俺らは一切売らへん。でも必ず出れるんよ。なんでか?俺らが一番オモロイからや。
あんなもん、売らんでええねん。だって気分ええやんか?同期が頭下げていっぱいチケット売って、俺らは一切売らずに、それでも俺らが一番爆笑とったら。
これ最高やで?言うて。まぁ、支配人とこ行って「出してくださいね!売らへんけど一番面白いから。」言うてね。


初めは努力したよ。いつも劇場行って「出番ください!」言うて、ほな「12時からもう出番いっぱいやから」言われてんけど「じゃあ、11:45に幕開けてください。一発でええんでやらせてください。12時からやったらお客さん入ってるでしょ?」言うて無理矢理出番作らせてもらったわ。
21でコンビ組んで23の時に、もう大阪ではいっぱい仕事できてたからね。コンビ組んで2年で豊かな暮らししてましたわ。

心で記憶する



なんでメモ取らんときって言うたか?


俺、本読まへんのよ。年1冊も。みんなめっちゃ読んでると思ってんねん。本読んで勉強してる思ってるねん。
映画も一緒。全く見ない。何でか言うたらあんなもん何の役に立たん。本読んだ知識は自己満足やねん。


クイズ番組の為ならわかるわ。いっぱい答えれるで?それだけの得。俺ら喋り手の役には立たん。何でか言うたら覚えたことを喋ってるだけやから、違うのよ。覚える場所が。一般人とは覚える場所が違う。心で記憶するんや。


今日喋ったこととかの中でも何個か「あ、そうなんや〜」って強く思ったことあるやろ?それは脳で記憶してないねん。心で記憶してるんや。そしたら一生忘れへんのよ。


高校の時に習った数学の公式なんて今覚えてるか?覚えてないやろ?何でか?それは頭で覚えてたからや。でも高校のツレと喋ったことは忘れへんやろ?あん時あいつこう言いよった。とか。女に告白した時の言葉とか、克明に語れるやん?なんでか?心で記憶したからや。


脳で記憶したものは思い出す時、普通に思い出すねん。一生懸命順番に。だから時間かかるんよ。でも心で記憶したものはどこにしまったかわからへん。でも同じ感情になった時に勝手にその引き出しが開くんよ。
だから俺がトーク番組では喋ること何にも考えてない。歩いて行って顔見てから初めて感じたことを喋ってるだけやねん。だから何喋るって考えたことがない。
テーマがあって、その話を誰かがする。「高校ん時、ムカついた話」とか。そんなん何も考えてない。考えても思い出せへんねん。


ところが、トーク始まった瞬間に誰かが「こんなんあってこうでこうで!!」って話したら、その瞬間に自分も頭ん中で高2になるんよ。そしたら、高2の時の感情になって引き出しがいくつも開くんよ。その中からチョイスして喋ってる。
だから決して用意してない。心で記憶するコツは感情の起伏が激しくないとあかんねん。いつでも感じなあかん。


うちがBARハセガワでライブやってるんやけど、1人めっちゃ上手いシンガーがいるねん。あまりにも上手いからお客さんもたまに泣いてはるわ。
ところがね、売れてるタレントは90%泣きよるな。こないだもね、フットボールの後藤がずっと泣きよるんよ。お客さん誰も泣いてないで?そんなとこでタレントが泣くわけないやん。
でも、本人もわかってないねん。「なんで僕泣いてるんですかね?」って言うて、笑瓶もガタルカナルタカも小池栄子もみんな泣いてんねん。この人らは心で記憶出来る人たちやねん。


1年後2年後にそのシンガーが売れたとするやん?そん時、泣いてなかった人は「昔からずっとファンでね。めっちゃ歌うまかったんよ」って脳で記憶したことを喋るんよな。
でも、笑瓶とか後藤とか小池栄子が聞かれたら喋ることは感情で喋れるのよ。「初めて、聞いた時にね、何にもわからんかったんすよ。何にもわからんかったんすけど涙が止まらなかったんですよ!!」って言えるんよな。


それってどっちが伝わるかって言うとこっちの方が伝わるのよ。だから絶えず心で記憶する自分にならなあかんねん。

TVのヒミツ



これは言いたくないなと言うのが1個だけあるんやけどな〜。もうえっか、もうじき辞めるし。えっか!俺ももう長ないし。
これな、自分らはええねん。TV出えへん思うし。今、TV出てる奴が見るのはヤバい。そいつらに「あ、なるほど!」思われるとヤバい。けど、まぁええか。
ほんまは教えたくなかった、極秘のトリック。


一般の人の賢いってのは色々知ってはるやんか?
サンデープロジェクトって朝の報道やってるでしょ?俺頭悪いから分からへん。でもスタッフがスペシャリストやねん。専門家が集まってるんよ。
例えば俺が「ビッグバンについて教えてください」言うたら、その専門家がいるんよね。知識レベルめちゃ高い。1人ずつスペシャリストやねん。


でも俺らはな残念ながら1個の仕事するんちゃうやん?バラエティて色んな仕事せなあかん。そこでスペシャリストみたいな顔せなあかん。それどうするか言うたら、勉強できへんやろ?時間もないし、努力も嫌い。これなペテンやねん。1分野1箇所。


例えば野球。俺珍プレー好プレー16年くらいやってんねん。VTRのたびに、司会者て2ついて、本番前にVTRちゃんと見る人がいんねん。
最近知ってんけどほとんどそうらしい。俺はほとんど見いひんのよ。珍プレー好プレーやってて、VTRみながら「あれ誰?あれ誰?」ってずっと聞くんよ。ほんでVTR明けには知ったように喋るんよ。


昔ねヤクルトの岡林ってごっついピッチャーと古田くんがゲストで来たんよね。
ほんで後半戦にVTR入ったら岡林くんが「紳助さん年何回球場観に行ってるんですか?そんな忙しいのに野球見る時間あるんですか?」って、ほな古田くんが「お前はアホか、紳助さん球場なんてもう10年くらい来てないわ。ね、紳助さん?」って、俺も「おう、知らん知らん!!」って、岡林くんが「え?でも、ちゃん出来てますやん!」言うたんよね。じゃあ古田くんが「だから、プロなんや。」と。そう言う事やねん。


我々は知る必要ないねん。野球マニアやないから。興味もないもん。
例えば今、大阪でちっちゃな番組でた。トークテーマは野球や。誰が好き?って聞かれたとしよう。君は興味ないとしよう。そこで「清原!」とか「金本!」言うたらみんな普通やと思うねん。
でも、君が「阪神の藤本!」って言うやろ?大阪ではメジャーすぎるけど、東京やったらそれくらいがええ。みんなが微妙に知ってるかどうかくらいの、微妙な選手を言うわけよ。
ほな、なんで?って思うやん。「清原!」って聞いたらなんで?って思わんよ。でも藤本やったら、「なんで藤本なん?」ってなるやろ?まずこの段階でみんなより聞いてくれるポイントになるわな。
「だって、すごいやん藤本って!高校でどうしてもプロなりたくて、それでもなれへんくて、滋賀の野球専門学校行って、そこ出てもまだプロなれへんかって、そこから社会人行ってやっとプロなれたんですよ!!」って短い時間で藤本のサクセスストーリーを語ったとしようや。
ほなみんなどう思う?「こいつ、めっちゃ詳しいやん。」実はこいつ野球知らんくても。清原の事を語ってもみんなもうええってなるんよ。お前のレベルはみんな知ってるんやから。


そこで今、大阪やったら赤松のこと語ってみ?ほな「すっげー、お前マニアやな!!」って言うわな。それって知識あるって事やん。実際知らんくていい、そこだけ詳しく熱く語る。あと一個は否定するもんを持っておく。「お前、赤松のこと熱く語るのに、なんでチームのことは知らんねん!」って言われる。そん時に俺たちは屁理屈を言えばいい。理由を。
俺なら、巨人全然知らん。背番号も知らんで。「だって子供の頃から親父がガチガチの阪神ファンで、巨人は悪いやつって洗脳教育を受けてたから覚えたらあかんと思ってた。」例えば、阪神全然知らんと、そこで人が納得するような理由をつけたらええ。「阪神に興味はない。でも俺は赤松に興味ある。あいつが売れたら俺も売れるんや。なんかダブんねや!!」ってのを熱く語ると、人はこいつが野球を知らないやつって思えへんのよ。


残念ながら、TVの世界では1人1時間も喋らしてくれへん。そんな喋ったらボロ出るよ。最大30秒や。それ以上喋ったらスベる。人は30秒以上集中でけへん。
例えば、音楽でもそう。1個だけ!1個だけ詳しくなれば、今と同じこと使えばいい。
俺、若い頃リーゼントやって暴走族ちょっとやってたから、やたら音楽詳しい思われてんのよ、ロックとか。ちゃうねんキャロルとか怖かってん。そう言う笑いや。
で、「誰好きやねん?」言われて「かぐや姫や。南こうせつ。フォークソングや。」言うたら笑われる。なんでヤンキーがフォークソング熱く語ってんねん?って、それを熱く語る。


ほんで洋楽の話なったら全然興味ない。「お前聞いてへんだけやろ?聞けや!分からへんねやろ?」って、「違う。日本人言うのは、詩を聞いて粋やな〜いけてんな〜渋いね!って言うて生きてきた民族や。向こうの人らはリズム思考やねん。リズム思考で高揚する民族やから文化が違う。それを俺ら根っからの日本人が聞いても分からへん。それをええと思ってるお前らこそバッタもんの外国人やんけ!」って攻撃することで自分を正当化。そこに1つの論理があるやんか?でもちゃうねん。ほんまは知らんだけやねん。ほんまはな。


人って不思議で、俺パソコンは使えるんやけど予約録画でけへんねん。でも人はパソコン出来る人が予約録画できへんと思わへんねん。
だから、1個ずつ1個ずつ詳しくなんねん。こないだ加藤茶先輩とご飯行って「紳助くんいつそんな勉強してんの?」って、「いや、先輩。全く勉強してないですよ。」って「いや、なんでも知ってるやん。」ってね。「いや、知ってる事しか喋ってませんもん。」言うて、これ物凄い言葉やねん。今の話聞いたらわかるやん?俺は真面目に答えてるねん。知ってる事しか喋ってない。でも知ってることが1分野1個めちゃ詳しかったら、人はなんでも知ってると思うねん。タレントはなこの分野を増やして行ったらええねん。こんな事もなるべく脳やなく心で記憶する。だから、さっきの話やけど阪神で誰が好きや?言うて赤松やって言うやろ?ほんまに赤松を好きにならなあかんねん。何回か球場通ってみんなが知らない赤松を自分だけ一歩深く知った時に感じるやろ?俺らは賢い必要はない。賢いんちゃうかな?って思われたらええ。

やると言うこと



才能ないと思うで?だから10年20年もこんな仕事したらあかんねん。でも無いねん。ほとんど。
でも有るか無いかはやってみな分からんねん。やらなあかんねん。
でもやるのに、今日言うたみたいに正しくせえへんかったら辞めれへん。なんで辞めれへん言うたら、やってないから。正しくやってない。


オートバイチームを昔やってても、ライダーはなかなか辞めれへん。タイム出えへん。だから言うのよ。「もう辞めろ。」と。ほんなら「監督、もう一回自分の納得のいく走りができたら辞めます」って言うんよな。
バカかお前はと、走れへんから辞めるんや。もう1回同じ走りが出来るんなら辞めんでええがな。
だから、結果には満足せえへん99%の人が。でも、やった選手生活に満足せなあかん。NSCに入って漫才師やる言うて売れるか売れへんか分からん。ほとんど売れへんから。


でもな、10年20年経って子供が出来て「俺昔な、NSCで漫才やっててん。完璧にやってんけどな。でも才能なかったわ。」って言えたら次に進めるんや。
だから、一生懸命やる5の努力を知ってほしいねん。才能はな神様が与えるものやから分からへん。でも頑張る5の努力を身につけたら、たとえ、この世界で成功せんでも次成功するよ。また5の努力をかけたらええんやから。それをね若い頃からずっと言うてるんよ。それを立証する為にお店やってんのよ。それが1つ。


もう1つは「騎兵隊」の野呂。あいつ、いっつも5の努力をするんよ、でも漫才の才能は1.5しか無い。だから「漫才辞めろ。俺と友達で金出したるわ。」言うて、包丁持ったことないけど、あいつは5の努力出来るから。
東京でお好み焼きやろう言うて、店やるまでに怒鳴り倒してこうするんや、言うて。俺もお好み焼き屋なんてやったことないし出来へんけどやれ言うて。今もう1年半経つんやけど、入れない。予約が取れない言うて。
俺も4ヶ月前行って怒ったわ「なんで金出したのに入れてくれへんねん!」言うてな。そんな店なって、頑張ってんねんな。正しかったなって。あいつ社長やねん。


出資した俺たち一円ももらってない。目的はお金じゃないから。俺金欲しかったら余興行くほうが早いわ。でも金ちゃうんよ。
野呂は絶対出来るはずやと思ったんよ。漫才はあかん。でも成功しよった。あいつが金持ちなったらええやん?


うちの弟子にも清浦ってのがおってな。笑いの才能はなかった、でも弟子の中でもええ加減な奴は知らん。頑張る筋力が2〜3しかない。そんなん知らんわ。勝手に頑張れや。
惜しいと思わへんそんな人間は。でも清浦って言う人間は5の努力を出来る奴やった。こいつは幸せにならなあかん。
だから「石垣島でカフェやるからお前やれ!」言うてね。ほんじゃ「師匠すんません。寒いとこ苦手なんです」って、なんや言うたら石垣島が北海道やと思っててん。
ほんでオープンせえ言うて、石垣行って店作ってん。もうあいつも2年くらいになるんよな。野呂にしても清浦にしても、やっぱ俺間違ってなかったなって思うんわ、あいつら儲かるやん?俺には入ってこうへんやん?ほんじゃ、まだあいつらにも人間の心が残ってるんやな。「悪いです。こんなお金出してもらって申し訳ないですよ。」言うて、でも俺がやってるのはお金じゃないから。うん。


もう一個、お店やってる理由は生意気やねんけど、自分は人間としての能力が高いって若い頃から思ってんのよ。
自分は漫才やってタレントやって成功したやん?でも、心の中でどっかで「いや、たまたまやで?たまたま上手く行っただけやで?」って自分と「いや、俺は何やっても上手く行く。」って自分もおるんよな。
だから、もし俺が金目的にやってるならお寿司屋さんが成功したら、お寿司屋さんを増やして行くよな?ノウハウあるから。その方が楽やん。
でも、まだあるんよ「たまたまちゃうの?」って。ほな次はバーやろって。店も内装金かけて、ライブありでやって、カクテルもメニューなしで気分を書くねん。「いつかスターになるぞ。」って、ほなバーテンさんが「いつかスターになるぞ」を作ってくれんねん。これならイケるやろ?って思って、成功してまた「よっしゃ!」って思うんよ。


やっぱ、たまたまちゃう。だから、自分の中の答え合わせをしてるんよ。はじめ、竜介と漫才やろう言うて教科書を作った。新しいこといっぱい考えた。それで売れた。全く一緒、お店も。
モノを売るのも自分を売るのも全く同じノウハウやねん。でも、島田紳助はもうデビュー出来へんねん。違う顔違う名前でやれば良いけど無理やんけ?
だから、お店でそれを証明すんねん。変な話オープンしたら何にも言わへんねん。
だからな、今もし俺が横について漫才教えへんで?どうやったら売れるか一緒に考えるやろ?ほんじゃ2〜3組は世に出れるよ。だからやり方よ。

島田紳助がNSCで語った【伝説の講義】チャプター別まとめ

各チャプター毎に書き出してまとめているので、そちらも是非ご覧ください。


島田紳助がNSCで語った【才能と努力】全文書き出し

島田紳助がNSCで語った【笑いの教科書】全文書き出し

島田紳助がNSCで語った【相方と戦略】全文書き出し

島田紳助がNSCで語った【XとYの分析】全文書き出し

島田紳助がNSCで語った【運と計算】全文書き出し

島田紳助がNSCで語った【心で記憶する】全文書き出し

島田紳助がNSCで語った【TVのヒミツ】全文書き出し

島田紳助がNSCで語った【やると言うこと】全文書き出し


最後に




この島田紳助さんの伝説の講義を初めて知ったのは、僕が当時大学2年生の頃でした。
その時は“ただの深イイ話”くらいにしか感じきれませんでしたが、それから数年経って23歳の時に聞き直したら“勝つための戦略”だと感じました。
聞く人によって、この話の価値が変わるのも面白いところですね。


僕自身、まだ全てを理解し実践に移せてはないのですが、この話を完全に理解して実践できるまで聞き続けたいと思いますし、その過程をTwitterで発信していくので良かったらTwitterフォローもお願いします。



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