と聞かれたら、真っ先に紹介してるのが「はじまりのうた」です。
この映画はジョンカーニー監督の作品なんですが、「ONCEダブリンの街角で」と「シングストリート」と違い、舞台はNYでハリウッドスターを起用してるんですね。
まだ観てない方も、一度観たことあるよって方も、この記事を読んでから観直して欲しいです。
歌詞の意味を想像してからストーリーを観ると、より一層楽しめるので。
ちなみに、ジョンカーニー監督の作品は全てU-NEXTで視聴可能です。
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映画『はじまりのうた』のあらすじと感想
@gogokengo ニューヨークを舞台にした音楽映画の王道。老若男女問わず楽しめる作品です。##おうちで過ごし隊 ##映画鑑賞 ##tiktok教室 ##映画好き ##ためになるtiktok ##洋画 ##家にいるだけで世界は救える ##映画紹介 ##映画感想 ##はじまりのうた ##おうちgw
一言でいうと音楽映画の王道。
老若男女問わず没入できる映画です。
舞台はNY、落ち目の音楽プロデューサー(ダン)と失意のシンガーソングライター(グレタ)が出会い、それぞれの葛藤を抱えながらアルバムを制作していく話。
ダン目線で見ると不器用ながらも家族や仕事へ向き合う信念が見えて、グレタ目線で見ると夢を叶えていく恋人との葛藤が見えるので、1粒で2度美味しい映画です。
キャストにはパイレーツオブカリビアンのキーラナイトレイ、アベンジャーズのマークラファロ、そしてマルーン5のアダムが出演。
ONCEでは無名のキャストで渋い演出をみせたジョンカーニー監督が、ハリウッドスターを起用するとどうなるのか?も見どころの1つですね。
ちなみに原題「Begin again」は「やり直す」という意味なんですが、この映画全体のキーワードになってるので意識してみると、より楽しめます。
そして、クライマックスでアダムが歌うLoststarsのアレンジに注目!
そこでキーラナイトレイ扮するグレタは何を感じ、どうするのか?ここが非常に興味深いです。
映画『はじまりのうた』のサントラ一覧
- A Step You Can’t Take Back/キーラナイトレイ
- Coming Up Roses/キーラナイトレイ
- Like A Fool/キーラナイトレイ
- Tell Me If You Wanna Go Home/キーラナイトレイ
- No One Else Like You/アダムレヴィーン
- A Higher Place/アダムレヴィーン
- Lost Stars/アダムレヴィーン
- Horny/シーローグリーン
- Women Of The World Go On Strike!/シーローグリーン
- Did It Ever Cross Your Mind/セシル・オーケストラ
- Into The Trance/セシル・オーケストラ
- The Roof Is Broke/セシル・オーケストラ
- Intimidated By You/セシル・オーケストラ
はじまりのうたのサウンドトラックに収録されてる曲は上記です。
正直、キーラナイトレイとアダムレヴィーンだけで十分かと思ってましたが、シーローグリーンとセシルオーケストラの曲もかなり渋くて良い感じなので、ぜひ聴いてみてください。
映画『はじまりのうた』で流れる曲の歌詞が独創的なので解説する
ここからは、はじまりのうたの挿入歌の中でも特に印象深い2曲に関する考察をしていきたいと思います。
- A Step You Can’t Take Back/キーラナイトレイ
- Lost Stars/アダムレヴィーン
この2曲なんですが「A Step You Can’t Take Back」は、この映画のまさに「はじまりのうた」でして、冒頭にグレタ(キーラナイトレイ)が歌い物語が始まります。
そして、「Lost Stars」はこの映画の主題歌でもあり、物語の軸になっている曲です。
2曲とも聴き心地が良いのはもちろんなんですが、歌詞が独創的で深いので、その辺りをみなさんにもお伝えできればと思います。
A Step You Can’t Take Back/キーラナイトレイ
まずはじめに「A Step You Can’t Take Back」から。
この曲は冒頭のシーンでグレタ(キーラナイトレイ)が友人の付き添いでライブBARに訪れた際に、友人のスティーブに無理やり紹介されて、歌い始めるんですね。
「都会でひとりぼっちのあなたへ」
そう言って、アコースティックギター1本で歌い始めます。
地下鉄にいて 気付けばひとりぼっち
横に置いたバッグの中身が自分の世界の全て
そしたら突然 それがいい方法に思えたの
これが 終わりのラインなんだって気づいたの
こんなこと言っても何にもならないかもしれないけどね
大丈夫け!?
そうなんです。
まさに、グレタは絶望してたんですよね。
実は、このライブBARに訪れる前に、なにがあったかと言うと、彼氏のデイヴ(アダムレヴィーン)の浮気が発覚し、グレタは激昂して荷物をまとめて家を出て、友人のスティーブの家に駆け込んで相談していたんです。
そんな失意の中、歌った絶望の曲のサビがこちら。
ほら 線路にそって電車が来る
そしたら痛みが襲ってきたの
目の前が真っ暗になったわ
この「最期の行動」をする準備はできてるの?
この一歩を踏み出せば もう後戻りはできないわ
ほんま、大丈夫か!?
ライブBARのお客も興味を無くし、あまり聴いてない様子。
しかし、その中で一人目の奥を輝かせながら聴き惚れて佇んでる男がいます。
そう、その男こそグレタとW主演のダン(マークラファロ)なんですね。
ダンは落ちぶれた音楽プロデューサーで、ここ5年間は一切ヒットを出せず、共同創業したレーベルからはクビを言い渡され、妻と娘には愛想をつかされ別居中で、ボロボロの愛車もエンジンがかからなくなり、地下鉄で移動するも遅延で終電がなくなり、もう本当にどうしようもない状態で訪れたのが、このライブBARだったんです。
そこで、グレタの曲を聴いたダンは思わず立ち上がります。
彼の目にはバックバンドの演奏が映っていました。
ダンの表情は不思議と希望に満ち溢れています。
絶望的な状況に陥っていた二人が、絶望的な曲に希望を見出し、ここから二人の物語が始まります。
まさに、「はじまりのうた」です。
物語の最後、グレタはレーベルと契約を結ばずに、ダンと一緒に制作したアルバムを1ドルで全世界に配信するのですが、まさにこの瞬間二人の新たな道が始まるんですね。
この「最期の行動」をする準備はできてるの?
この一歩を踏み出せば もう後戻りはできないわ
物語の序盤では絶望的な意味だった、この歌詞が終盤には希望の一歩に変わっています。
同じ曲なのに背景によって意味合いがガラッと異なるのは、前作のONCEダブリンの街角ででもありましたね。
Lost Stars/アダムレヴィーン
そして、この映画の主題歌「Lost Stars」です。
Lost Starsはグレタ(キーラナイトレイ)がクリスマスプレゼントとして、デイヴ(アダムレヴィーン)に贈った曲なんですが、映画で何度も登場します。
最初の登場は、グレタがライブBARでA Step You Can’t Take Backを歌い、ダンと出会った日です。
家に帰り、デイヴとの思い出に浸っていたところで流れます。
やっぱ、グレタは相当デイヴのことを愛してたんやろなぁ。
ここから、グレタの回想シーンに入ります。
「なぜ、あの日あのライブBARに来ていたのか?」が明らかになるんですね。
一時の気の迷いで浮気をしてしまったデイヴでしたが、やはりグレタしかいないと復縁を求めます。
しかし、スター街道まっしぐらのデイヴに対して、グレタの気持ちは少しずつ離れていきます。
それは、浮気をしたデイヴに失望したからではなく、自分の音楽に対する信念とデイヴの進む道がズレてきたと感じたからです。
そんなグレタは歌を通して、死ぬほど愛していた彼と決別していくんですね。
物語の終盤、デイヴがライブでLoststarsを歌うんですが、このシーンが非常に重要になってきます。
「今日は彼女のアレンジで歌おうと思う」
そう言ってデイヴは歌い始めます。
神様、理由を教えて、青春が過ぎていくよ。
狩りのシーズンに子羊は走り惑う、意味を探して。
僕らは彷徨う星たち?
闇夜を照らすだけなのかな?引用:「はじまりのうた」日本語字幕より
和訳すると、かなり詩的な歌詞ですが、英語だとめちゃくちゃ韻を踏んでるんですね。
And God, tell us the reason youth is wasted on the young
It’s hunting season and the lambs are on the run
Searching for meaning
But are we all lost stars
Trying to light up the dark?
この青色にした部分は全て母音が「AAU」になっているので、音が近いんですね。
なので、聴いていて耳障りが良いんです。
それでいて、この独創的な意味を持たせてるのが素晴らしいなと。
そして、曲の後半デイヴはグレタに視線をやりながら歌います。
思い出を悲しみに変えないで
昨日はライオンが鹿にキスをしてた
ページをめくれば別の結末が待ってる引用:「はじまりのうた」日本語字幕より
そんなデイヴに対し、笑顔を見せるグレタ。
その表情から、やはりデイヴのもとに戻るのかなと思ったのですが、最後の大サビに行く手前で一気にその意味が変わります。
君は泣いてたよね?
僕の名を呼んだよね?
声を上げて泣いてたよね?
何も変わってないよ引用:「はじまりのうた」日本語字幕より
「何も変わってないよ」と、その歌詞を聴いたグレタは目に涙を浮かべながら、観客席を見ていました。
そこには、デイヴの曲に身を預ける大勢の観客の姿が。
デイヴはもうれっきとしたスターになっていて、その道に自分は居ないということを改めて感じたような様子。
寂しさと悲しさが込み上げながらも、自分の心の迷いを断ち切って前に進んでいくように僕の目には映りました。
ほんま、ジョンカーニー監督の映画は無駄がないね。
映画『はじまりのうた』は音楽映画の王道だ
今回紹介した「はじまりのうた」は、僕がBARを経営していた時に、常連さんに教えてもらい初めて観たんですが、めちゃくちゃハマって計10回以上は観たんじゃないでしょうか。
その当時は、「ジョンカーニー監督の作品」という認識はなく、ただ単に「この映画好きやわ」という程度だったんですが、最近シングストリートを友人に教えてもらって、そこからジョンカーニー監督作品にハマったんですね。
「ONCEダブリンの街角で」を含めた、この3作品は僕の好きな映画リストの上位に食い込んできました。
テンポよし、曲よし、ストーリーよしの三拍子揃った作品なんですよね。
この3作品の中でも、特に「はじまりのうた」は人を選ばないので、ぜひ、皆さんも観てみてください。
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