『テイラー・メイヨー・フェイヨル』
と、聞いてなんのことか皆さんはパッと紐づきますか?
僕は経営学部だったのですが、正直ピンと来ませんでした。
この三人はマネジメントの源流をつくった人たちなんですね。
経営戦略の歴史において非常に重要なことなので、わかりやすくまとめてみました。
目次(クリックすると読みたい部分まで飛べます)
マネジメントの3つの源流をわかりやすく解説
どーもゴーゴーケンゴ(@KNGrits)です!
今回は、ビジネスマンなら誰でも聞いたことがあるだろう三人の偉人についてまとめてみました。
『テイラー・メイヨー・フェイヨル』
この三人が主に何をしたのか?
まずは、プチまとめを紹介します。
マネジメントの3つの源流プチまとめ
そもそも、マネジメントのキッカケは「もっと効率よく出来ひん?」というシンプルな疑問からでした。
当時の労働は、単純な出来高払いの給与体系だったので働けば働くだけ給与は上がるはずでしたが、給与が増えすぎると管理者側が勝手に賃率を下げたので手取りはそんなに変わりませんでした。
そのせいで「働くだけムダだ」という風潮が蔓延し、「頑張る奴は迷惑」という同調圧力までかかる始末。
管理者はそれに対して「精進と奨励」を説くだけだったと言います。
「これでは、いかん!」それがマネジメントが誕生するキッカケだったんですね。
なので、いかに生産性をあげるか?がマネジメントの根本部分にあります。
そして、その根本部分には3つの源流が流れてます。
それが、この3つです。
- テイラーの科学的管理法=マニュアルによって生産性は上がる
- メイヨーの人間関係論=対話によって生産性は上がる
- フェイヨルの経営・管理プロセス=計画によって生産性は上がる
では、この3つを詳しくみていきましょう。
テイラーの科学的管理法とは?
テイラーの科学的管理法は経営学部出身の方なら聞き覚えあるはずです。
僕も聞き覚えはあったものの、なんのことかいまいちピンと来てませんでした。
そもそも、テイラーとはどんな人物なんでしょう?
フレデリック・テイラーとは?
ハーバード大学法学部入学。
目を悪くして退学を余儀無くされる。
その後、工場で見習いとして働く。
以降、職場の生産性向上に努める。
35歳で独立し、多くの企業を立て直す。
55歳で「科学的管理法の原理」を出版。
何を隠そう、このテイラーこそマネジメントの全ての源流なんですね。
この、テイラーの科学的管理法は経営学部なら必ず勉強したことある内容です。
が、しかし当時は特に必要性も興味もなかったのでスルーしてました。
目分量方式ではなく、最適を追求した
そのテイラーがしたことは、極めてシンプルです。
これまで、目分量で作業をしてたもの全てに最適を求めたんですね。
例えば、ショベルを使って鉱石をすくって運ぶ仕事1つとってみても、以前までは人それぞれに形の違うショベルをその日の気分で選んで働いてたところを、その人の体格に合わせて決められたショベルを与えて、1回で運ぶ量は何kgが一番効率良いかを分析して、移動距離は何mが最適なのか?そういった細かい部分を全て分析して改善したんですね。
すると、みるみるうちに作業効率が上がったということなんです。
このように、マニュアルで全て決めて効率を追い求めたのがテイラーの科学的管理法です。
その詳しい内容というのが、
- タスク管理
- 作業研究
- マニュアル制度
- 段階的賃金制度
- 職能別組織
この5つなんですね。
産業が拡大し、若い未熟練工が大量に働くようになったこの時代だからこそ、公正な条件のもとで、より高い賃金を求めてたんですね。
このテイラーの科学的管理法を極めたのがフォードの大量生産システムです。
作業のマニュアル化に加えて、徹底した分業化と流れ作業により、効率よく大量生産が可能になったんですね。
この時代においてフォードは大変大きな役目を果たしました。
しかし、皮肉にも豊かになった大衆はもはや、フォードの単純作業には耐えれなくなったんですね。
その風刺を描いたのがチャップリンのモダンタイムスです。
無声映画ですが面白いので機会があればぜひ、みてみてください。
メイヨーの人間関係論とは?
それに対して、メイヨーに人間関係論とはどういったものなんでしょう?
まずは、メイヨーとは、どういった人物なんでしょうか?
エルトン・メイヨーとは?
医師の子として生まれる。
医学、論理学、哲学を学ぶ。
31歳から教員として教え始める。
42歳でアメリカに渡り「ミュール実験」を行う。
その後、「ホーソン実験」を行い、人間関係論を打ち立てる。
ミュール実験とは?
ミュール紡績部門での研究なんですが、やろうとしてたことは「作業環境改革による、離職率の改善」でした。
毎月、従業員の20%が辞めていく現状をみたメイヨーは、仕事の単純さと孤独さからくる精神的疲労に原因があると考え、1日4回10分ずつの短い休憩時間の導入を進めました。
たったこれだけで、離職率は年間5%程度へと改善されたんですね。
しかし、メイヨーは「短い休憩を取ることが本質ではないはず」と考えて、いくつかの仮説を立てました。
照明が暗くなるほど生産性が上がる!?
作業環境に原因があると考えたメイヨーはある実験を行いました。
実験対象となったチームは照明の明るさを調整して、明るい方が良いのか?暗い方が良いのか?実験したんですね。
すると、明るくした時も、暗くした時も、どちらの時も生産性は上がってたんです。
環境は関係なかったんですね。
ホーソン実験とは?
100人の職人の中から6人を選抜し、労働条件を変えて生産性を測ったんですね。
すると、どんな条件でも生産性が上がり続けたのです。
これは、100人の中から選ばれたというプライドや連帯感が、どんな労働条件にも打ち勝ったということです。
では、なにが影響を与えるのか?
そこで従業員に面接の機会を設けました。
会話は自由で、要は雑談をマネジャーと従業員の間に取り入れてみると、生産性が向上したんです。
メイヨーの結論
労働意欲は労働条件ではなく人間関係に依存する。
こういった結論をメイヨーは出したんですね。
人の行動は合理的ではなく、感情に大きく左右される。
それは、間違いなく生活水準の工場が人間を「経済人」から「社会人」に変えたということです。
この、メイヨーの人間関係論は現代における、モチベーションやリーダーシップ全ての源流になってるんですね。
フェイヨルの経営・管理プロセスとは?
最後にフェイヨルですが、フェイヨルは企業活動を6つに分けたんですね。
そして、この図にある通り、組織が大きくなればなるほど経営活動の比率は上がるべきだとしてるんですね。
その経営活動は主にこの5つに分類できると。
このPOCCCサイクルを回し続けることが企業を経営・管理するということであり、それは組織によらず普遍的だと。
テイラーが工場を管理したのに対し、フェイヨルは企業を統治したんですね。
マネジメントの3つの源流を理解する
生産性はどうやったら上がるのか?
人間はどうしたら動機づけられるのか?
その為に何をすべきなのか?
そういった考察や実験が大きく進んだのがこの20世紀初頭です。
現代におけるマネジメントは全て、ここから始まってるんですね。
マネジメントは時代によって変わり続けてますが、始まりを理解することで、現代との対比も出来ますし、新たなキッカケになるので凄く大事なことだなと思いました。
この記事は経営戦略全史を読んで学んだことをアウトプットさせて頂いたんですが、今回書いた内容は、この経営戦略全史の7%くらいの内容なので、相当骨太な一冊です。
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