48期連続増収増益の超ホワイト企業が長野県にあるのをご存知でしょうか?
その名は『伊那食品工業』
日本のトップ経営者がこぞって見学に訪れる同社の会長・塚越寛氏の著書『年輪経営』について書いていきます。
目次(クリックすると読みたい部分まで飛べます)
塚越会長の『年輪経営』を読みました
どーもゴーゴーケンゴ(@KNGrits)です!
今回は伊那食品工業の塚越会長の著書「年輪経営」を」読んだのでまとめていきます。
僕が「年輪経営」を読みたいと思ったキッカケは、先日訪れた鎌倉投信さんの鎌田代表が「年輪経営は私のバイブルです」と仰ってたからです。
鎌倉投信の会社理念や投資哲学がすごく響いたので、その根幹にある伊那食品工業の「年輪経営」とは一体なんだ?
ということで、読んでみました。
と、その前に事前知識として。
伊那食品工業とは?
長野県の伊那市に本社を置く伊那食品工業は寒天のトップメーカー。
1958年の創業から48年間、増収増益を達成し、現在の売り上げは200億円、従業員は約449名。同社が国内マーケットに占めるシェアは8割、世界でも15%となっている。
伊那食品工業会長・塚越寛氏とは?
1937年、長野県生まれ。終戦の年の父の死により貧窮した家庭環境のなかで幼少期を過ごす。
高校時代に結核を患い、長期療養のため東大受験を断念。
3年間におよぶ闘病の後、1957年に地元の木材会社に入社。
1958年に関連会社で月次赤字だった伊那食品工業株式会社に入社し、社長代行として立て直しに奔走。再建を果たす。
以降、48期連続の増収増益決算を達成。1983年に同社社長に就任し、2005年から現職。
肺結核を患い、入院生活を経験していたからこそ、「働けるだけで幸せだった」と仰ってるんですね。
病気の経験すらも、『おかげさま』と言えるのは本当に凄いですよね。
それを心の底から思ってるからこそ、年間を通して休みは正月の2日だけと言うほど、働き続けれたんですね。
そこまで働けたのは、「会社を大きくしたい」とか「売り上げをもっと伸ばしたい」とかではなかったと言います。
『会社は永続することに最大の価値がある』
そう考えて、経営に邁進してきたそうです。
年輪経営とは?
年輪は永続の仕組みを表しています。
木は天候の悪い年でも、成長を止めません。
年輪の幅は小さくなりますが、自分なりのスピードで成長していきます。
「天候が悪いから成長は止めた」とは言いません。
会社も一緒で、環境や人のせいにすることなく、自分でゆっくりでもいいから着実に成長していきたいものです。
これが「年輪経営」の真髄です。
伊那食品工業が取り上げられる際に、よく言われるのが「48期連続増収増益」という実績です。
しかし、塚越会長はそれ以上に誇りに思ってることがあると言うんですね。
私が自社に関して誇りに思っていることの一つに、「この20年間、会社が嫌で退社した人間はゼロである」ということがあります。
これこそ、年輪経営の真髄だなと感じました。
急激に大きくなりすぎた木の年輪の幅は大きく、外見の割に脆いものです。
会社の利益に気を取られ、足下を見れてなければ、この結果は出ないですよね。
年輪経営をただのキレイゴトで終わらすことなく、実現し続ける強さが本当に素晴らしいなと。
『年輪経営』塚越会長・語録
年輪経営は、金言が散りばめられてるので、その一部を紹介させて頂きます。
利益は健康なカラダから出るうんち
会社を一人の人間として考えた時に、利益と言うのはうんちだと言うんですね。
つまり、無理して出すものではなく、健康体であれば自然と出るもの。
出し過ぎ、出なさすぎ、両方とも問題なんですね。
遠きをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す
「会社は永続することに価値がある」と考え始めた頃に、この言葉に出会ったそうです。
いい会社を永続させるには遠きをはからなければいけない。
大きな問題は、四半期ごとの決算を意識するあまり、中長期的な取り組みが疎かになるということでした。
極端に言えば、「今が良ければそれでよし」「数字が出てればそれでよし」が、まかり通ってしまうのです。
それでは遠きをはかることは出来ないと言います。
それが決定的になったのはリーマン・ショックの出来事からでした。
倒産したリーマン・ブラザーズから私物を持って出ていく社員の顔はニコニコしていたそうです。
それは「再就職できれば会社はどうなっても構わない」という風に塚越会長の目に映ったそうです。
そこで、アメリカ型の資本主義、個人主義の行き着く先をみた気がしたと言います。
このやり方では、人を幸福には出来ないと。
だからこそ、塚越会長は経営戦略の柱に、この二宮尊徳の言葉。
『遠きをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す』
を入れたんですね。
道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である
経営にとって、本来あるべき姿とは、社員を幸せにするような会社を作り、それを通して社会に貢献することだと仰ってます。
だからこそ、道徳を持って事業を伸ばすことが大事なんですね。
これこそが、伊那食品工業が「いい会社をつくりましょう」と言う理念をキレイゴトで終わらさず、社会貢献を続けてる強さに表れてますね。
年輪経営の最大の敵は急成長にあり
成長を追い求めはするが、身の丈に合わない急成長は危ないと言います。
伊那食品工業も寒天ブームの際に急激に増えた需要に警戒したと言います。
なぜなら、そういった一過性のブームはすぐに過ぎ去るからなんですね。
自分たちの力じゃないところで伸びても、すぐに元に戻るんです。
だからこそ、急成長のタイミングは一番警戒すべきだと言うんですね。
年輪経営は一人の人間として大事なことを教えてくれた
年輪経営は本当に毎日読み返したいくらい、金言が詰まってます。
それは、新たな知識を入れるというより、自分の中に気づきを与えてくれる一冊です。
以下、僕がハッとさせられた気づきです。
人の犠牲の上にたった利益は利益じゃない
例えば、仕入れ先に無理を言って安くして、利益を出したとしても、それは長続きしません。
搾取は有限です。いずれ無くなります。
それは「遠きをはかる」から反してますよね。
サスティナブルでなければ、良い関係だとは言えません。
それで思い出したのが僕が経営してたBARです。
店内の全員が笑顔じゃないと楽しくない。
つまらなさそうにしてる人がいたら、それはあったかいお店じゃない。
この意識が僕の原点でもあるのだと。
僕が人を傷つける笑いが好きじゃないのも、これに繋がるんだなと。
誰かの犠牲の上に成り立つものは幸福にはなれない。
そんな、当たり前なことを再確認させてくれました。
身体も心もお金も健康一番
僕は今、毎日ジムに通って体を動かしてますが、住所不定の生活なので自炊が出来ないんですね。
なので、栄養バランスはどうしても偏る。
だからこそ、今、月額制の宅食サービスを開発中なのですが、健康であるべきなのは身体だけではありません。
ガンにかかる原因として1番はストレスだという話があるくらい、心の健康も欠かせないものです。
僕が思う、心の健康とは「他者との繋がり」です。
ひとりひとりが誰かにとって欠かせない存在であると思うけど、それを認識できなかったら意味なくて、もっと色んなカタチで世界は繋がれると思うし、そうであってほしい。きっと、誰もが誰かにとって欠かせない存在になれる。
— ゴーゴーケンゴ(kengo) (@KNGrits) November 29, 2017
少し哲学的な話になりますが、自分という存在は、他者の認識によって証明されます。
つまり、他者から全く認識されなければ、自分は存在しないのです。
だからこそ、他者との繋がりが自分を証明する唯一のものであり、誰かにとって自分という存在が”欠かせない存在”になれば、生きる意味になり、満たされるものです。
シンプルに言うと、思いっきり笑えること。
1人じゃなく、みんながストレスフリーで笑えること。
これが心の健康に繋がります。
僕は今まで、健康と言えば心と身体の2つだと思ってましたが3つ目がありました。
それが『お金の健康』です。
売上、利益を追求して不健康な状態になってないか?
利益を蓄えることは、脂肪を蓄えることと同じ。
「もし、飢餓になったときの為に食べれるだけ食べて蓄えておこう」
この発想で利益を蓄え続けたら、どうなるでしょう?
脂肪が増えて、身動き取りづらくなって、怪我しやすい体になりますよね?
それは極めて不健康です。
健康において重要なのはバランスです。
そこを見誤ってしまえば、そりゃ病気にもかかりやすくなりますよね。
【身体・心・お金】
この3つの健康を追求することが人生を豊かにする上で大事なことだなと。
年輪経営を読んで、人生で大事なことに気づかされました。
自信を持ってオススメできる本です。
ぜひ、皆さんも読んでみてください。
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