オリバーカベルのブランド戦略。ラグジュアリーブランドの価格内訳って知ってますか?

オリバーカベル

オリバーカベルってご存知ですか?

僕はこないだfacebookで友人がシェアしてた記事で知ったんですが「オリバーカベル」というバッグのブランドが若者を中心に人気が出てきてるとのこと。

で、オリバーカベルがどういう訳で人気なのか調べてみると興味深いことがありました。

価格の妥当性で勝負

オリバーカベルのバッグは240ドルなの約3万円ほど。

その価格内訳を全て公開してるんですね。

布地:1,842円
レザー: 1,332円
裏地:653円
ベルト:90円
ナイロン:300円
補強:500円
ジッパー:491円
金属製品:426円
裁断/加工/品質管理:5,533円
運搬:672円
関税:851円
梱包:833円
輸送:1,137円

※本記事では1ドルあたり115円で換算。換算後の円表記で統一
参照:HEAPS

これは、「売値:32,775円」のバッグ一つを作るのにかかったコストの内訳。上記コストの合計額は14,660円。売値32,775円からコスト14,660円を引いた差額は18,115円。この、コストの約1.2倍の金額が粗利であり、ここから従業員への給与や運営費などの販管費が引かれた金額が純利だ。
参照:HEAPS

これが凄く面白いな〜と思って、他のブランドはどうなのかと思って調べてみました。

すると、売値18万のラグジュアリーブランドの原価は4.4万円というのも出てきました。
これはイギリスの職人がハンドメイドで作ってこの原価なので、他の超有名ブランドなどは工場がアジア圏にあり、生産コストはもっと抑えられるので、もっと差が開きそうですね。

ラグジュアリーブランドの価格設定は原価の10倍〜15倍という話も。

価格設定てどうやって決めてるの?

そこで気になるのは、価格設定ってどうなってるん?って話で

「高い=質が良い」

では、無いということ。

じゃあ、お客さんは何に価値を感じて高い買い物をしてるか?
ブランドはどうやって価格設定を決めるのか?

純顧客価値とは?

 純顧客価値はアメリカの経営学者であるフィリップ・コトラーが提唱したコンセプトで、「総顧客価値」-「総顧客コスト」で求めることができます。「総顧客価値」とは、製品もしくはサービスに顧客が期待する「価値」を総合したもので、「総顧客コスト」とは、商品に支払う料金や購入にかかる手間や時間などの「コスト」の総計です。総顧客価値と総顧客コストは、それぞれ下記の図のような4つの価値・コストに分類され、その差を出すことで、純顧客価値を割り出すことができます。
参照:wisdom

要するに、顧客が期待する価値-顧客にかかる負担=純顧客価値て感じですね。

で、価格設定の方法は大きく2つあって、

  1.  企業サイドの原価をもとに決定する方法
  2.  消費者サイドの支払意思をもとに決定する方法

原価をもとに価格を決めるのが妥当だという日本人的思考から、
コトラーの顧客価値という視点から価格を決める方法が主流になっているんですね。

だからこそ、原価の10倍もするバッグも、そこに価値を感じる人がいるから売れるんですね。

そのあたりは以前書いたラグジュアリーブランド大好き人間を理解出来ない人はこれを見ろ。にも書いた「思想」に重きを置いてショッピングする人が多くいるということですね。

知ってるのと知らないのでは大違い

ラグジュアリーブランドの価格設定は顧客価値から計算して決められてるとのことですが、それが知らないと「原価の10倍てぼったくりや!」っていう思考の薄っぺらい発言に繋がると思うので、やっぱり「知ってる」のと「知らない」のは大違いだなと思いました。

「値段が高いから、なんとなくシッカリしてそう。」

っていう意思決定はせずに済みそうですよね。
買い物する時は「思想」で選んでるのか「機能」で選んでるのか、自分では把握しておきたいなと。

そう思えば『ゴーゴーケンゴ』の価値も分けることが出来て、
「ケンゴが好き!応援してる!」という思想の価値と、「記事が面白いし勉強になる!」という機能の価値と大きく2つに分けれますね。
一定のレベルまではこの2つは密接してそうですね。
面白い記事を発信し続ければ、僕を好きになってくれる人も増えそうなんで。

思想面と機能面の両サイドからアプローチしていきまっせ!頑張りまっせ!

みすず学苑CM

みすず学苑公式のマーケティング戦略が不気味すぎる件について。

2017年7月31日
オリバーカベル